【人事】ビジネス教育 転職 〈リファラル採用〉

どうもanjinです!

今日は、人事分野の転職における『リファラル採用』について書きたいと思います。採用については以前書きましたが、今日はリファラル採用に絞って説明します。アメリカではすでに一般的な採用方法で、日本でも2015年頃から注目が高まってきています。具体的にはどのような採用方法なのでしょうか?

【リファラル採用とは】

『リファラル採用』とは、英語で「紹介」を意味するReferralと、「求人、採用」を意味するRecruitingを合わせたリファラル リクルーティング(Referral Recruiting)と言われる採用手法を指します。

つまり、リファラル採用とは『自社の従業員の紹介を通して採用すること』をいいます。

人材を紹介した社員に対して企業がインセンティブを与えるケースもあります。大企業のように採用活動に多くのコストをかけられない中小企業、ベンチャー企業などで多く導入されています。

【リファラル採用が注目される理由】

近年、日本でリファラル採用が注目されるようになってきた理由として、主に2つの理由があります。

1つ目に、売り手市場による人材不足が大きな要因です。内閣府の調査によると今後も生産年齢人口は減少していく予測であり、人材の確保はますます困難になっていきます。

2つ目は、適性や希望の不一致です。それにより、早期退職や生産性低下の問題が発生しています。

実は現在でも日本国内の知人による紹介自体は多く、中核人材の採用数全体の約25%を占めています。人材エージェントや求人広告などの外部データを使わない、「信頼できる社員からの紹介による採用手法」のため、自社の採用が他社と競合せずに、優秀な人材を、低予算でスピーディに採用ができる手法として注目を集めています。また、所属している企業の魅力を友人に語ることが、社員のエンゲージメントを高めることに相関するのではという期待も込めて運用を開始される企業が増加しています。

 

【リファラル採用と縁故採用の違い】

日本には縁故採用という似た採用手法がありますが、リファラル採用と縁故採用とでは「採用することを前提とした特別な選考かどうか」という観点で特徴が大きく異なります。

《リファラル採用の特徴》

血縁関係にある方や親族だけでなく、知人や友人を自身の企業へ紹介して採用する手法を指します。
採用することが前提ではないので特別な選考ステップは設けず、他の採用手法と同じ選考ステップで採用合否を判断します。

《縁故採用の特徴》

血縁や親族を自身の企業へ紹介して採用する手法を指します。
立場を利用した紹介が多く、採用されることが前提となっている特別な選考ステップを設けている採用手法です。

【リファラル採用のメリットとデメリット】

リファラル採用では募集広告などを出す必要がないため、通常の採用方法よりコストが抑えられるというメリットは容易に想像がつくと思います。では、その他のメリットやデメリットにはどういったものがあるのでしょうか。

《リファラル採用のメリット 3つ》

1.マッチング率の向上→定着率の向上

リファラル採用の場合、社内環境をよく知る人間がその環境に合いそうな人材を紹介するため、通常の採用に比べ職場とのマッチング率は非常に高いといえます。入社後に何か問題が起こっても、紹介者に相談することもできるため、結果的に職場での定着率も向上します。

2.専門性の高い人材の確保

専門性の高い職種の場合、一般的な求人方法では適当な人材が集まりにくい傾向がありますが、リファラル採用の場合は同窓生など似たような分野で活躍している人材を集めやすく、さらには本来転職を考えていない層の人にもアプローチをすることも可能です。

3.採用コストの削減と社員への報奨金

リファラル採用の場合は求人媒体やエージェントへの依頼をする必要がありませんので、基本的に採用活動における費用がかかりません。紹介者にボーナスといった形の報奨金制度を取り入れている企業もありますが、その場合も違法性のない範囲での金額ですと30万円〜100万円程度となりますので、通常の採用活動にかかる高額な費用を考えると、かなりのコスト削減になるでしょう。

《リファラル採用のデメリット 3つ》

1.不採用やトラブル時における人間関係の悪化

リファラル採用のデメリットとして最も起こりうる可能性が高いのは、紹介をした知人や友人が結果的に不採用になってしまった場合の双方の関係悪化です。紹介をした側は大変気まずい思いをしますし、紹介された側も、知人・友人の紹介にも関わらず不採用となれば当然ショックも大きいはずです。リファラル採用では、双方があらかじめ不採用の可能性もあるということを十分に理解しておく必要があるでしょう。

2.似た人材が集まりやすい

「類は友を呼ぶ」といった言葉もあるように、リファラル採用の場合はプライベートを中心とした知人や友人が紹介されることが多いため、結果的に似たような人材が集まりやすく、場合によっては会社にとって不利益な派閥が形成されてしまう可能性もあります。ただ、一方で業種によっては似たような思考・嗜好の人物が集まることをメリット捉えることもできるでしょう。

3.紹介者が退職した場合のモチベーション低下

リファラル採用は、紹介する側と紹介される側の双方に信頼関係があるからこそ成り立つものです。そのため、もし何らかの理由により紹介者が退職することになってしまった場合、紹介された側の社員のモチベーションが低下する可能性があり、最悪の場合は芋づる式にどちらも退職してしまうことも考えられます。

【リファラル採用を成功させるには】

企業がリファラル採用を成功させるためには、押さえておきたい3つのポイントを説明します。

  1. 制度導入だけでは効果を期待できない
  2. 制度定着まで一定の時間を要する
  3. その他の採用手法と併用して採用活動をする

制度導入だけでは効果を期待できない

リファラル採用制度の導入だけでは、効果を期待できません。制度設計の際は、下記に気をつけて下さい。

  • リファラル採用制度の仕組みやプロセスを社内で周知徹底する
  • リファラル採用制度が利用されやすいような仕組みをつくる

社員がリファラル採用に積極的に関われるような環境整備の検討と実施が欠かせません。

制度定着まで一定の時間を要する

リファラル採用を成功させるためには、制度の定着まである程度の時間を要するという覚悟が必要です。リファラル採用制度を導入したからといって、すぐに採用が進むわけではありません。

社員に制度が浸透し、社員自らがアクションを起こすまでは一定の時間を要します。長期的な投資という視点でリファラル採用を考えていく必要があるのです。

その他の採用手法と併用して採用活動をする

状況に応じてその他の採用経路、採用手段と併用していくことも成功へのポイントとなります。優秀な人材を確実に採用するには、採用経路を絞るのではなく、広く間口を設けることも重要です。

リファラル採用の間口以外にも、状況に応じて適切な採用経路、採用手段を選択できるようにしましょう。

 

以上が今日のテーマになります。ご覧頂き、ありがとうございました!

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