【労務】ビジネスパーソンの健康診断

どうもanjinです!

今日はビジネスパーソンにとっての健康診断がどのように実施されているか書いていきます。ほとんどの方が年一回、健康診断を受けて会社に結果を提出する形をとっていると思います。

【定期健康診断とは】

定期健康診断とは、1年に1回、定期的に実施すべき健康診断のことです。会社が実施する健康診断には、「一般健康診断」と、有害な業務に従事する労働者に対する「特殊健康診断」がありますが、定期健康診断は一般健康診断に該当します。

《一般健康診断》

一般健康診断とは、職種や勤務形態にかかわらず実施する必要がある健康診断です。一般健康診断は業種の指定がないため、全企業が対象となります。一般健康診断は、主に以下の2つになります。

1.雇入時の健康診断
対象者:常時使用する労働者
実施時期:雇入時

2.定期健康診断
対象者:常時使用する労働者
実施時期:1年以内に1回

《特殊健康診断》

特殊健康診断とは、有害業務に常時従事する従業員に対しておこなう必要がある健康診断です。原則として、雇入時や配置換え、6ヶ月以内ごとに1回の実施が義務付けられています。対象者は、主に以下に該当する従業員となります。

1.高気圧業務

2.放射線業務

3.特定化学物質業務

4.石綿業務

5.鉛業務

6.四アルキル鉛業務

7、有機溶剤業務

 

【定期健康診断は義務?】

労働安全衛生法では、企業は従業員に対して定期健康診断をおこなう義務を定めています

・労働安全衛生規則 第44条

『事業者は、常時使用する労働者(第四十五条第一項に規定する労働者を除く)に対し、一年以内ごとに一回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。』

会社は使用者責任として、従業員の健康を守る義務があります。そのため、定期健康診断を通して従業員の健康状態を把握・管理しておかなければいけません。

一方で、従業員が健康診断を受診しないケースもありますが、従業員側にも会社が実施する健康診断を受ける義務があります。

・労働安全衛生法 第66条第5項
『労働者は、前各項の規定により事業者が行なう健康診断を受けなければならない。』

【健康診断の対象従業員とは】

健康診断の実施対象者は、労働安全衛生法に基づき「常時使用する労働者」と定められています。常時使用する労働者とは、以下の全てに該当する従業員です。

    • 期間の定めがない雇用契約を結んでいる従業員
    • 1年以上に渡る雇用契約が見込まれる従業員
    • すでに1年以上雇用されている従業員
    • 1週間の所定労働時間が正社員の4分の3を超える従業員

【健康診断を実施上の注意点】

健康診断を実施する上で、下記のような注意点があります。

《企業側が費用負担》

事業者に実施が義務付けられている健康診断の費用は、ほとんどの場合において、事業者側に負担義務があります。ただし、人間ドックなどの高額な健康診断を受診する場合、定期健診費用に相当する部分のみを企業側が負担するに留めることも可能です。その際には、トラブルを回避するためにも、従業員にその旨をあらかじめ通知すしておいた方が良いでしょう。また、周辺の病院の定期健診費用をもとにして、会社が負担する上限額も併せて伝えることも大切です。

《診断結果は保管義務有り》

会社側には、健康診断の結果から個人票を作成して、5年間保有しなくてはならないという義務があります。その際には、本人の承諾が必要です。病院側から本人用と事業所保管用の結果が送られてくる場合も多いです。それを保管しておけば問題ありません。但し、個人で受けた場合など、一般健康診断の必須項目以外の診断結果については、保管義務は特にありません。

《受診結果には報告義務有り》

常時50人以上の従業員を雇用する事業者には、所轄の労働基準監督署に対して健康診断結果を報告する義務が生じます。この報告義務は、労働安全衛生法によって定められているため、守らないと違法行為とみなされてしまいます。また、50人未満の従業員数であっても、報告する義務が免れますが、健康診断を受けさせる義務がなくなるわけではありません。

以上が本日のテーマになります。ご覧頂き、ありがとうごさいました!

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