どうもanjinです!
今日は労務分野で『火災保険』を取り上げます。保険関係を続けて書いていますが、今回は損害保険の中の火災保険を書きます。今後、入ろうか又は見直そうか検討している方は、参考にして頂けたら嬉しいです!
【火災保険とは】
火災保険とは、『火災や火災を伴うことが多い爆発や落雷、風災や雪災などの自然災害によって被った建物や建物に収容された家財等の損害を補償する保険』です。火災保険には住宅用のほか、店舗や工場、倉庫用などの種類があり、住宅用の火災保険にも持ち家向けの商品と賃貸住宅向けの商品があります。
木造住宅が多い日本では、失火の責任に関する法律(失火責任法)が定められており、失火者の責任が緩和されています。『火を憎んで人を憎まず』の精神で、他人の家からのもらい火でも自分の家の分は自分で守る、という内容の法律です。
したがって、火災のときは火元からの賠償は得られず、基本的に自己責任で対処する必要があります。
生涯で一番高い買い物になると言われている大切な住宅や、家財道具を失った場合の被害はかなり大きな金額になるため、火災保険は重要な保険と言えます。
【失火責任法とは】
失火責任法では、「失火(過失による火災)の場合は、損害賠償はしなくて良い。ただし重大な過失の場合を除く」といった内容が定められています。
つまり、自宅の火災で隣家に火が燃え移ってしまったとしても、「重大な過失」がなければ隣家への賠償はしなくて良いことになります。
これは逆の立場でも当然同じで、隣家の火災で自宅が損害を受けても、火元の家主からは賠償してもらえない場合がある、ということです。
つまり、火災による被害は自分で対応しなければいけません。
そのためにも、火災保険は大切だといえます。
【民営保険(私的保険)の分類】
ここでまず民営保険について説明したいと思います。大きく下記のように3分類できます。
- 第1分野:生命保険
- 第2分野:損害保険
- 第3分野:生命保険と損害保険の中間
第1分野:生命保険
第1分野は『人の生死に対して一定額を支払う保険』です。
種類:定期保険、終身保険、個人年金保険、養老保険等
第2分野:損害保険
第2分野は『一定の偶然の事故によって生じる損害を支払う保険』です。
種類:自動車保険、火災保険、海上保険、賠償責任保険等
第3分野:生命保険と損害保険の中間
第3分野は『生損保の垣根が低くなり、明確に区分できない保険分野』です。
種類:医療保険、がん保険、介護保険、傷害保険、所得補償保険等
【火災保険の対象】
火災保険の補償対象は、大きく「建物」と「家財」の2つに分けられます。
「建物」は家や塀など、簡単には動かせないものを指し、「家財」はテレビやカーテンなど、すぐに動かせるものを指します。
【建物】
建物本体、電気、ガス、冷暖房設備その他の付属設備、浴槽、ガス台、棚、門、塀、垣、物置、車庫など
【家財】
家具(テーブル、ソファーなど)、家電製品(テレビ、パソコンなど)、洋服、自転車など
これら以外にも、特約をつけることで高額な貴金属や預貯金証書なども、一定額補償を受けることもできますし、また、火災保険は加入の際に補償の対象を「建物のみ」、「家財のみ」、「建物と家財」のいずれか選ぶことも可能です。持ち家や賃貸などそれぞれの住居環境に応じて「補償対象」を決めることができます。
【火災保険の補償範囲】
では、火災保険の補償範囲はどのようなケースをカバーしているのでしょうか。代表的なものを具体例とともに見ていきましょう。
《火災》
失火やもらい火による火災の損害の補償
例:火災により住宅が燃えてしまった等
《落雷》
落雷による損害の補償
例:雷が落ちて家電製品がショートした等
《破裂・爆発》
破裂や爆発による損害の補償
例:漏れたガスに引火して爆発が発生した等
《風災・雹災・雪災》
風・雹・雪などによる損害を補償
例:強風で窓ガラスが割れた、割れた窓ガラスから雨が吹き込み家電製品が使えなくなった等
《水濡れ》
漏水などによる水濡れの損害を補償
例:給排水設備の故障により部屋が水浸しになった、マンション上階からの水漏れで部屋が水浸しになった等
《水災》
台風や集中豪雨による損害を補償
例:大雨で床上浸水してしまった等
《盗難》
盗難にともなう、盗取・損傷・汚損による損害を補償
例:泥棒に鍵や窓ガラスを壊された、泥棒に現金や家電製品を盗まれた等
《騒擾・集団行為等にともなう暴力行為》
騒擾や集団行為による暴力・破壊行為の損害を補償
例:労働争議に巻き込まれて家を壊された等
《建物外部からの物体の落下・飛来・衝突》
建物外部からの物体による損害を補償
例:家に車で突っ込まれた、飛んできた野球ボールに窓ガラスを割られた等
このように火災保険は、保険会社や保険商品によって若干の違いは見られるとはいえ、実に幅広い補償範囲を持っていると言えます。また、それらの補償のうち自分に必要なものだけを付帯し、細かくカスタマイズできるタイプも多くなっています。自身の生活環境にはどの補償が必要かを明確にし、適切な補償範囲に設定していくようにしましょう。
【火災保険料の仕組み】
保険料は保険金等の支払いに使われる「純保険料」と保険会社の経費と利益になる「付加保険料」の2つで成り立っています。
「純保険料」は火災などの被害が発生したときに受取人に支払う保険金の原資です。純保険料は事故の発生頻度や損害額など過去に蓄積されたデータに基づき算出された純保険料率を基に決まります。
「付加保険料」は保険会社が事業を運営するために必要な経費や保険代理店に支払う手数料、保険会社の利益などから構成されます。付加保険料は料率三原則 に従って各保険会社が独自に算定します。
上で述べた通り、保険会社がそれぞれ純保険料と付加保険料を決め、この2つを合わせたものが保険料となりますが、それでは火災保険の場合にはどのような要素で決まるのでしょうか。火災保険料はまず、建物の構造によって大きく変わってきます。例えば、鉄筋コンクリート造のマンションと木造の一戸建では、燃えにくさや壊れやすさに違いがあるからです。そのほか、保険料に影響する要素としては、建物所在地、専有面積、補償内容等、様々なものがあります。これらの要素によって、火災保険の保険料は決まります。
火災保険における「建物構造」とは、燃えにくさ、壊れにくさ等を表す住宅の構造区分を示します。建物の構造によって、「構造級別」が定められています。
「構造級別」は、下記の3つに分類されています。
- M構造(コンクリート造マンションなど)
- T構造(鉄骨造の戸建ての建物など)
- H構造(木造の戸建ての建物など)
構造級別と保険料の関係は、M構造→T構造→H構造の順に保険料が上がっていく仕組みです。
保険料は木造の一戸建てが一番高く、マンションが一番安くなります。参考として、新築の一戸建ての場合はH構造が多いです。保険に加入する際は構造や面積、耐火基準が確認できる建物登記簿謄本、建築確認申請書等を用意してください。
【まとめ】
火災保険は、わたしたちの「住まいと生活を守る」大切な保険です。
住まいや家具などの資産を一瞬の事故で失うリスクに備え、もし災害にあってしまったときは、少しでも早く被害から立ち直るサポートをしてくれます。
暮らしの中で考えられる、さまざまなリスクに備えるために、火災保険の加入の検討は大切です。補償範囲は多岐に渡りますので、加入した火災保険がどこまでをカバーしてくれるのか、専門家に相談することをおすすめします。
【参考書籍】
以上が本日のテーマになります。ご覧頂き、ありがとうございました!
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