【ビジネス】健康経営とは一体何なのか(コロナ禍での経営について)

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どうもanjinです!

今日は人事分野の『健康経営』について書きます。現状、コロナ禍でもあり、どんなビジネスをやるにしても『体が資本』であることは間違いないです。健康経営とはどういうものなのか基礎内容を解説していきます。

 

【健康経営とは】

 

 

健康経営とは、『従業員の健康維持・増進に向けた取り組みが将来的な企業の収益性等を高めるための投資であるという考え方のもと、従業員の健康を経営的視点でとらえ、その管理に戦略的に取り組むことです。

健康経営は、アメリカの臨床心理学者・ロバート・ローゼン博士が提唱したヘルシーカンパニーという概念に基づいています。ヘルシーカンパニーは、従来分断されてきた「経営管理」と「健康管理」を統合的に捉え、従業員の健康管理に投資することで企業の業績向上つなげる考え方です。

以前は、従業員の健康管理は個人の責任として捉えられていました。しかし今や従業員が健康に働ける環境を提供し、便宜を図るのは企業の義務です健康管理は企業の重要な経営課題の一つとして誠実に向き合っていく必要があります。

 

【健康経営の目的】

 

 

健康経営の最大の目的は、『不健康経営による 負のスパイラルを断ち切り、正のスパイラルへと転換させること』です。

人は不健康になるとモチベーションや集中力が大幅に低下するため、ヒューマンエラーが増加します。
また、体調不良による遅刻や早退、欠勤、退職が増加するため、医療費負担や採用コスト、育成コストが増加します。

このような状態が慢性化することによって、業績は大幅に悪化し、企業イメージは低下。
企業収益が減少し、健康投資を行う余裕がないまま負のスパイラルが続いていくのです。

多くのヘルスケア関連製品を取り扱う世界的企業のジョンソン・エンド・ジョンソン社は、グループ会社250社で働く約11万人の従業員たちに対して健康維持促進プログラムやワークライフバランス支援などを実施しました。その結果、1ドルの健康投資に対して約3ドルの投資リターンを得ることができたといいます。

従業員には心身ともに健康な状態で働くことのできる環境を与えることで、企業は健康投資に対する大きなリターンを得ることができます。

企業と従業員のWin-Winな関係を構築し、健康経営による正のスパイラルを生み出すことが健康経営における1つの目的だといえます。

 



 

【健康経営の具体的な取り組み方】

 

健康経営をするには、具体的にどう取り組めば良いのでしょうか?

経済産業省では、「健康経営を経営課題として戦略的に実践するためには、組織マネジメントの一環として、健康経営を体系的に理解し、その実践手法を検討する必要がある」としています。

健康経営を実践するには、その取り組みが「経営基盤から現場の施策まで」の様々なレベルで連動・連携していることが重要です。

経営理念・方針」「組織体制」「制度・施策実行」「評価・改善」「法令遵守・リスクマネジメント」の5つの取り組みが必要とされています。

出典:経済産業省より引用
企業の『健康経営』ガイドブック~連携・協働による健康づくりのススメ~(改訂第1版)」第2章健康経営を始めよう

「⑤法令遵守・リスクマネジメント」は、労務管理の基礎でもあり健康経営の基盤として実践すべきものです。

従って、⑤以外4つの取り組みについて具体的に解説していきます。

①経営理念・方針

健康経営理念を定め、社内外に発信する

まず、企業理念に沿って健康に関する基本方針などを決定し、企業のトップが大々的に通知することが肝要です。

健康経営に関する理念を明文化することで、健康経営に取り組むことを社内外に宣言し、健康経営をスタートさせます。

全国健康保険協会や健康保険組合に対して、健康経営に取り組む意思表示である「健康企業宣言」を行うことも効果的です。

発信の際は、健康経営の目的が企業の持続的成長に資することを明らかにし、自社の企業理念や中長期計画に基づいて宣言します。

②組織体制

健康経営の理念に基づき、運営組織体制を整備する

健康経営の実施にあたっては、各部局が一丸となり取り組むよう、経営トップ及び経営層全体において、その取組の必要性などが共有されなければなりません。

そこで、推進役となる「実行力のある組織体」」が必要となります。

管轄部門は、専門部署を設置するか、または人事部など既存の部署に整備することもあります。そこには専任または兼任の担当者を配置します。担当者には、健康経営に関する研修を実施したり、専門資格を持つ人材を採用したりすることなども検討します。

従業員の健康保持・増進は、企業、産業医や保健師などの産業保健スタッフ、健康保険組合、労働組合、従業員などがチームとなって取り組む課題です。新たに設置された運営組織を中心として、互いに連携しPDCAサイクルを実施できる体制を整えましょう。

③制度・施策実行

従業員の健康課題を導き出し、施策を実施する

健康経営を実践する上では、自社の従業員の健康状態を把握し、どこに課題があるかを理解しておくことが必須です。

まず、ストレスチェックや健康診断など既存のデータを活用して、長時間労働と特定保健指導の要否や、医療費との相関関係などを分析してみます。

他にも社内アンケートなどで現在の健康状態や不調を感じていることなどを把握します。そうすることで、「業務に対するプレッシャーで社員のメンタルヘルス不調が多発している」「長時間のデスクワークで腰痛に悩んでいる人が多い」といったボトルネックや課題が見えてくるでしょう。

その上で、具体的に何をどのように実践していくのか、健康経営の目標や取り組み内容を検討・計画し、実施します。実施する施策は、職場環境や働き方、従業員個人の生活などあらゆる側面からアプローチをします。

その際、企業が率先して実施できるものからスタートさせましょう。場合によっては、社内ルールとして制度化することも重要です。

その他、企業だけで実施できないものは、必要に応じて健康保険組合やフィットネスクラブ等の外部企業などと連携して実施することも検討します。

例えば、職場の禁煙ルールを明確化したり、社内食堂を整備したりするなど、職場環境の改善を図る方法があります。働き方の面では、⻑時間労働の抑制や従業員の休暇取得の促進なども挙げられます。個人の生活改善においては、健康について気軽に相談できる産業医と契約し、健康に関する情報提供やフィットネスクラブ等との法人契約など運動の機会を提供することも良いでしょう。

④評価・改善

定期的に効果検証を繰り返し、改善していく

計画を実行したら、その結果をきちんと把握することも必要です。取り組みの成果を評価したり計画の改善を効果的に行ったりできるように、計画立案の際にあらかじめ評価指標を設定し、成果の目標を立てるようにします。

施策を実行した後は、効果検証を行い改善すべき点は改善し、PDCAサイクルをまわしながら従業員の健康を維持・管理していきます。

また、日常的な歩数や血圧などのバイタルデータを記録することも、成果の効果測定には効果的です。そうした日常の健康データを蓄積することで、今後の対策に活かすこともできます。

 

【健康経営のメリットとデメリット】

 

 

健康経営のメリット(4つ)

生産性や活力の向上、業績U P

身体、精神ともに健やかな状態で仕事をすると活力が向上し、しっかり集中して取り組むことができます。

体調が悪いと集中力は低下し、作業のスピードも遅くなってしまいます。また、メンタル面に不調がある場合はパフォーマンスが大きく低下し、ミスも発生しやすくなります。

心身ともに良いコンディションで仕事に臨むことができれば、生産性も上がり業績もアップするでしょう。

離職率の低下

従業員の健康管理に取り組み、一人ひとりに配慮がされている企業では従業員の満足度や安心感が向上し、社員定着化が期待できるでしょう。労働環境が重要視される近年では、求職者からの人気も高まることが予想されるため、人材不足問題の解消につながります。

企業イメージの向上

「健康経営」を行う会社は、他企業や求職者からのイメージが良く、投資家からも好印象を得ることができます。「従業員の健康に配慮のある会社」という風に見られ、社会的な価値の向上が期待できます。

リスクマネジメント

従業員が怪我や病気で入院したり、死亡したりした場合、代わりの人材が必要となり、それには時間やコストがかかります。また、入院・通院費用の企業負担も発生することになります。

健康に問題を抱えたまま勤務を続けた場合は、仕事で十分な力を発揮することができず、さらには怪我や事故につながることも考えられるでしょう。仕事中の怪我や事故は、労災の扱いとなり、場合によっては高額な費用がかかります。従業員の健康管理を徹底しておくことで、このようなリスクを回避することができるのです。

健康経営のデメリット(3つ)

「健康経営」を実践することのデメリットは以下となります。

新たな費用の発生

今まで、定期診断以外の取り組みをしていなかった場合は、新たな費用が発生します。また、健康経営の実践と企業の生産性などの因果関係を証明することが容易ではないため、費用対効果を感じることが難しいというデメリットもあります。

プライバシーに関する情報提供による不満

健康管理・増進のためには、従業員の健康状態を把握する必要があり、従業員は企業にプライバシーに関わる情報を提供しなければなりません。個人情報の提供に関して、抵抗があり不満を持つ従業員がいる可能性も考えられるでしょう。

通常業務とは異なる形の時間消費による不満

「健康経営」を実践するには、企業側だけでなく従業員も一緒に取り組まなければいけません。通常業務以外のことで、貴重な時間を消費しなければいけないということに不満が出てくる可能性もあります。

【まとめ】

 

 

健康経営を成功させる秘訣は、企業のトップが先頭に立って「貴重な資源である従業員の健康増進を図ること」です。

目先の成果に捉われるのではなく、経営戦略の一環として従業員の健康に投資をする健康経営は、これからの日本社会で生き残るためには非常に重要な手法です。

一朝一夕では効果が表れないので、長期的な視野に立って、継続的に健康経営に取り組むことが重要となります。

 

【参考書籍】

 


経営戦略としての「健康経営」: 従業員の健康は企業の収益向上につながる!

 

以上が本日のテーマとなります。ご覧いただき、ありがとうございました!

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