【人事】サクセッションプランについて(後継者を育成する方法とは)

人事/労務/総務

どうもanjinです!

今日は人事関連の『サクセッションプラン』について書いていきます。名前は聞いたことはあるかもしれませんが、具体的内容まで知っている方はそれほどいないと思います。基礎部分から解説していきたいと思います。

 

【サクセッションプランとは】

サクセッションプランとは、『特に経営に近いリーダー層の交代に備えるための「後継者育成制度」のこと』です。「後継者育成」と聞くと特定の人物を対象にしたリーダー教育のように思えますが、最近はリーダー候補の人材を一定数ストックし、不測の事態に備えるという側面が強くなっています

空いたポストにその時点で候補となる人材を当てるのではなく、経営幹部候補群を事前にリスト化し、長期的なプランに基づいて育成を行っていく点が従来の継承プロセスと異なるところです。事業計画を見据えて育成を行うことになるので、より積極的かつ合理的な人事戦略といえるでしょう。

サクセッションプランでは、主要なポストが空いたら予定されていた人材をそこに当てることになります。また、ポストを特定せずに優秀な人材をプールしておくという施策を同時に行うことも多いようです。

こうした手法は、人事戦略に人材育成の視点を強く反映させたものといえるでしょう。

 

【サクセッションプランの目的】

サクセッションプランの大きな目的は、後継者候補を計画的に育成して、企業の存続リスクを軽減しながら持続的成長を図ることです

持続的成長による企業価値の向上を通じて、ステークホルダーはもちろん従業員満足度(ES)を高める効果も期待できます

「コーポレートガバナンス・コード」の中でも、取締役会の役割と責務として企業価値の向上と、経営戦略を踏まえた後継者候補の育成が計画的に実施されるように監督を行うべきと定められています。

後継者不在を原因とするM&Aを回避し、企業の独自性を長期にわたり保ち続けるためにも有効です

また、優れたパフォーマンスを持つ従業員が昇格できるチャンスを提供することで、長期勤続と実力発揮へのモチベーション向上も見込まれます

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【サクセッションプランの必要性】

サクセッションプランの必要性は、主に下記2つあります。

変化の激しい時代に適応するため

「サクセッションプラン」は経営の環境変化に対応する施策に対応します。「サクセッションプラン」は人事採用担当部門より経営層・経営陣の関与が高いことが特徴になります

アメリカでは、最高経営責任者(CEO)を先頭にした経営層・経営陣が後継者を指名して次世代を担う人材を、指名者の責任において計画的に育成する方法が一般的です。

もし、該当するポジション・ポストが空席になったときのリスク回避をして、迅速に適切な人材を配置することで、権限と責任の空洞化を排除することが可能となる仕組みになっているようです。

企業価値を高めるため

「サクセッションプラン」導入によって企業価値を高める目的もあります。多くの企業・団体・組織が「サクセッションプラン」を中長期的な成長と安定化のために必須であるとされています。

東京証券取引所によって定められたコーポレート・ガバナンス・コードに、最高経営責任者(CEO)を始めとする経営層・経営陣における後継者育成の重要性が言及されています。

一流の企業として市場に評価されるために、経営トップを中心にした「サクセッションプラン」の導入と実施が不可欠であり、変化の激しい時代に適応して中長期的に企業価値を高める必要があるようです。

 

【サクセッションプランと人材育成/後任登用の違い】

人材育成との違い

これまで「事業承継」「幹部候補生」「帝王学」といったキーワードで表されることが多かった後継者育成ですが、サクセッションプランとは、通常の人材育成と下記のような違いがあります。

  • 各部門を経験させるジョブローテーションに加え、経営方針や経営戦略を踏まえた、より長期的視野に立った育成を行う
  • ある一部門の中で専門性を高めるのではなく、全社横断的に経営層としての期待レベルに達するよう全分野において育成していく

従来の後任登用との違い

サクセッションプランと従来の後任者の登用との違いは、下記のようなものがあります。

  • 後任候補者のキャリアから判断するのではなく、経営理念や経営戦略に即した後継者としての人選を考慮する
  • 該当ポジションに近い年次の社員から選び出すのではなく、長期間かけて経営層としてふわさしい人材の育成を目指して、該当者をリスト化やプールし、育成する

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【サクセッションプランのメリットとデメリット】

サクセッションプランのメリット・デメリットは下記になります。

メリット:組織の活性化

サクセッションプランは、組織が目指すべき経営層の育成計画のもと優秀人材の育成/定着とモチベーション向上に繋がるため、組織全体の活性化が期待できます。またサクセッションプランによる後継者候補は、後継者不在を理由としたM&Aや、突然の経営陣変更/不在による組織全体の混乱を回避できるため、長期に渡って組織の伝統やオリジナリティを守れます

デメリット:長期的な育成コスト

サクセッションプランは、経営層による教育を1年~数10年と長いスパンで見る必要があります。しかし、育成計画を実行した候補者が途中で辞退/退職を選ぶリスクも考えられるため、候補者の選出や育成計画には慎重に実施しなければなりません

 

【サクセッションプランの導入手順】

サクセッションプランの導入手順は、下記の3ステップになります

1. 経営戦略・経営課題を明確にする

企業で要となる経営戦略や経営課題を明確にします

サクセッションプランでは、企業理念に加えて経営戦略や経営課題を含めた上で選考し、育成のプランを立てる必要があります。

2. 後継者候補となる基準を明確化して、人材を選出する

経営戦略・経営課題を明確にした後は後任者の基準を明確化します。基準となるものがなければ、主観的に候補者を選ぶことにも繋がります。

後継者候補を選ぶときには、客観的に人材を評価できるような基準を明確化します

その他にも、企業理念をどのように思っているか等のヒアリングをして、企業に対する思いなども把握することが重要です。

3. 後継者候補を育成する

将来の経営者や経営層となれるよう、人材を育成します。

企業理念や創業者やこれまでの後継者となった人物の思いは、経営する上で重要です。

企業が正しい方向に成長できるように、仕事・思考の能力向上の教育や実地研修の他にも育成計画として取り入れていく必要があります

必要なスキル・経験の獲得等を行い、最終的に適切なタイミングでポストに登用します。

 

【まとめ】

サクセッションプランに基づく長期にわたる人材育成計画の策定・運用は、単に経営層の後継者選びにとどまるものではありません。自社の経営理念を明確化し、将来を担う人材をより多く育てることができ、企業価値を高め、結果として社会貢献へとつながります。今後も注目が高まる重要な手法と言えます。

 

【参考書籍】


サクセッションプランの基本 ~人材プールが力あるリーダーを生み出す~ (ASTDグローバルベーシックシリーズ)

 

以上が本日のテーマになります。最後までご覧頂き、ありがとうございました!

 

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