【管理会計】ビジネス教育〈予算管理〉企業における作成手法とは

会計(財務会計/管理会計)

どうもanjinです!

今日は管理会計分野の『予算管理』について書きます。通常企業では、だいたい1月ぐらいには来期の予算を作成します。現状、私も予算作成をしている最中です。作成〜編成〜管理と企業によって詳細は異なりますが、基本的な部分は変わらないので、今回は基礎部分を解説していきます。

【予算管理とは】

予算管理とは、『企業が達成すべき数値目標を適切に管理すること』で、経営管理要素のひとつです

企業の目的は利益をだすことであり、予算は基本的に短期、中期、長期と目標を決めていきます。

目標達成するために決算に合わせて1年ごとに予算を作成していきます。売上予算、利益予算など数値目標を決めて、予算達成するために日々の営業活動をしていきます。

予算達成ができずに、利益がでていない状態であると企業が継続していくことは難しく、最悪の場合は倒産してしまいます。利益がでていない、または損失がでてしまった原因を究明してくために予算管理をする必要があります。

 

【予算管理を行う目的】

予算管理は、計画して実績との差を把握するためだけに行うものではありません。主に下記の4つの目的で管理されています。

①会社の目標をブレイクダウンする

会社の経営戦略や経営方針を策定しても、それだけでは目標を達成できません。ゴールまでの道筋を明確にしなければ、いつどのような行動をすべきか分からないからです。しかし経営計画を予算として数値化できれば、部門や担当者ごとに達成すべき目標としてブレイクダウンできます

②業務計画を作成する

業務計画は経営方針に沿って作成すべきものです。しかし抽象的な目標や方針では、実際の業務イメージが湧きません。予算が部門や担当者ごとにブレイクダウンできれば、従業員それぞれの具体的な業務計画を作成することができます

③計画と実績を比較分析する

予算が計画通りに実行されているか、目標は達成されているかなど、予算とその実績を比較することが、予算管理の重要な目的です。予算管理が行われていれば、目標に対する進捗状況を判断できます。また、計画通りに進んでいない場合は、原因を分析して次のアクションを検討するといったPDCAサイクルを回すことができます。

④経営指針を判断する

予算の達成状況や進捗、達成を阻む要因を突き止めることで、会社としての経営計画を見直す必要があるか判断することもできます。阻害要因が内部にある場合は、予算の管理方法や目標の修正を行います。外部要因で達成できないようであれば、そもそもの経営計画を見直すことも必要となるでしょう。



 

【予算管理に必要な4つの予算】

予算管理において必要となる4つの予算の「売上予算」「原価予算」「経費予算」「利益予算」について解説します。

 

売上予算

売上予算」とは、当期中に達成できそうな売り上げの予想、つまり売上高の計画を立てたものです

当初の売上目標や過去の売上実績を超える数値が理想的であり、それを前提として決定されます。売上予算の算出は、前年までの売上成績や差異を参考にします。

期初に決定する販売目標を、そのまま売上予算とすることも可能です。その場合は、算出された数値よりも高い目標を設定するケースがあります。売上予算は世情の変化など対外的な影響を受けやすいため、柔軟に調整していかなければなりません。

そのため、予算管理は「売上予算を確実に達成するための進捗管理」であるとも言えます

原価予算

原価予算」とは、製品の原材料やサービスの提供や仕入れに必要な費用など、あらゆる原価の計画を示します

仕入れ数や製造量は売り上げに応じて上下させるため、売上予算と同じく定期的な調整が必要です。業種によっても異なりますが、モノづくりであれば売上目標を達成できる数の製品を造る必要があり、そのためにもまずは原価の計算が求められます。

原価予算は生産計画と同時に作成するのが理想です。原価のほとんどは「原材料の価格」となり、市場の影響を受けやすいため定期的なチェックが必要となります。

経費予算

経費予算」とは、売り上げ以外の面で企業が管理するべき費用のことです。安定した企業経営を続けるために必要な費用の見積もりだとも言えます。

企業を経営するにあたり発生するコストは、従業員の人件費や交通費、オフィスの光熱費や賃貸料、広告などの営業費、販売経路にかかる費用、出張やリサーチにかかる費用など様々です。経費予算は売り上げに直接作用するものではありませんが、コストを削減できれば最終的な売上アップに繋がります。

 

利益予算

企業経営の最大の目的は、もちろん利益を出すことでしょう。「利益予算」は、最終的な目標利益を出すために必要な売上や経費を数値化し、目標達成の目安にするものです

実際の売り上げが予算に到達しなかった場合でも、原価と経費の削減に成功していれば利益予算を達成したことになる、という考え方もあります。

利益予算は「売上-原価+経費」という計算式で算出しますが、過去の経営実績やデータから月単位・年間の売上予想をするため、「必要となる原価・経費の予測」や「次年度の計画予定」なども考慮する必要があります

 

【予算管理と予算編成/予算統制の違い】

予算管理と予算統制を比較すると、予算管理のほうが広い概念です。予算管理は予算編成予算統制に分けられ、予算編成はPDCAのPである計画プロセスを指し予算統制はPDCAのD(実行)C(評価)A(改善)を果たす機能があります。

 

【予算管理の手順】

予算管理を適切に行うためには種類や内容だけでなく、業務内容や流れを知ることが大切です。予算管理の業務内容を知ることで効果的で正確な管理を行うことが可能になります。予算管理の手順を下記4つに分けて解説していきます。

1.予算編成(Plan)

予算管理の最初のステップは予算の計画を立てることです。企業に合った予算計画を作成するためには、まず経営目標を明確にし、その目標に対して必要な予算や経営資源を決めていきます。

また、予算編成は予算管理をする上で一番重要です。予算の計画を立てる方法には大きく分けて「トップダウン方式」「ボトムアップ方式」の2種類があります。

トップダウン方式

トップダウン方式の「トップ」とは経営陣を意味します。つまり、この方法とは経営陣が決めた予算計画を基に会社全体で予算管理していく方式です。このトップダウン式のメリットは、予算計画に時間がかからず、経営資源の効果的な配分が可能になります。

しかし、経営陣から一方的に予算が決定されるため、現場の負担が大きくなるなど、従業員のモチベーションを保つことが難しくなるデメリットがあります。

ボトムアップ方式

トップダウン方式に対してボトムアップ方式は、企業内の各部門の予算を積み上げて、企業の予算を決定する方式です。このボトムアップ方式では、予算計画を現場の状況を知った各部門の担当者が行うため、現実的な予算計画を立てることができます。

また、自分たちが立てた計画になるため、目標達成に対するモチベーションを高めやすくなります。

しかし、この方法では予算計画が完成するまでに時間がかかるデメリットがあり、全社的な利益とは関係ない思惑が含まれる可能性があるため、予算計画が適正かを確認する必要があります。

2.予算に基づいて実行(Do)

予算を適切に計画したら、予算に基づいて管理をしていきます。予算計画には上述したように、売上・原価・経費・利益の種類に分かれており、この種類ごとの予算を、日々管理していく必要があります。

管理の方法は、基本的に計画とのズレがないか確認することです。通常であれば、1年間の予算計画を各月ごとに割り振り、その月ごとに目標を設定していきます。

しかし、月ごとに予算管理を行っていれば大幅なズレが生じる可能性があるため、日割・週割して進捗率を算出していきます。

日々の業務で予算を管理できるように常に意識することが求められます。

3.予算実績の分析(Check)

実行してから、期末に予算実績を分析します。日々の業務で予算管理することも重要ですが、1ヶ月ごと・3ヶ月ごとなど定期的に計画と実績のズレを分析することが重要です。

予算と実績の差異が生じた場合、その差異が生じた原因を特定しましょう。誤差が5%以内であれば大きな問題はないものの、誤差が15%以上あると予算編成の部分で問題があるかもしれません。

このように定期的に分析を行うことで、最終的な期末のズレの発生を防止できます。

4.予算管理の改善(Action)

予算実績と予算計画との乖離が出てしまったら、その原因を特定し、対策を講じましょう。

ただ、予算編成に問題がないのにもかかわらず売り上げや経費の部分で計画と実績の乖離が大きい場合、事業の将来性がなくなっている可能性もあります。見切りをつけて事業から撤退するのが良いかもしれません。

数値・データに基づいて事業撤退の是非を判断できるので、経営者の思考バイアスが悪い影響を及ぼすのを防ぐこともできます。

 

【予算管理を成功させるポイント】

予算の意図をメンバーに理解・納得させる

往々にして営業予算は「上層部が勝手に決めて押し付けてくるノルマ」と現場の担当者は受け止めてしまいがちです。
そのような認識では予算達成へのモチベーションも湧きません。

営業予算には経営上の意図と、達成できる道筋や数字の根拠があることをメンバーにしっかりと説明しましょう。
予算の達成が会社、そして、自分たちの“糧”になることを理解し、納得感を持たせることで、達成に向けて自発的に取り組んでくれるでしょう。

結果の数値だけを見ない

売上の数字だけを見て進捗の良し悪しを見ているだけでは、結果管理になってしまう危険があり、適切な予算管理ができているとは言えません。
例えば、先月未達成であった場合、その事実に対して「なぜそれが発生してしまったのか」「今月具体的にどのように行動すればよいのか」についてしっかり分析・検討する必要があります。

そのため、予算達成に関わるプロセスにはどんなものがあるのかを洗い出しておき、それらのプロセスを計測しておく必要があります。「訪問件数」「見積り提出数」「クロージング数」等、定量的に計測できる行動を対象にするとよいでしょう。

そうしたデータを予算進捗状況と合わせて分析すれば、「訪問件数が計画よりも少ない」といったことがわかるので、何に問題が生じているのか見つけやすくなります。

このように営業プロセスをマネジメントところまで関わり、営業パーソンが目標達成し続ける環境を一緒に創っていくことが重要です。

進捗確認はこまめに行う

「四半期に一度進捗確認をしていたら、気がついたときには取り返しがつかないほど目標に対して差分が発生してしまっていた…」といった事態に陥ってしまうようであれば、予算管理を行う意味がありません。
予算管理は予算達成が危うくならないよう、迅速に次の打ち手を検討するために行うものだからです

業界や企業によって適切なタイミングは異なりますが、進捗確認は可能な限りこまめに行い、問題が生じたときにすぐに気がつけるようにしておくことが重要です。

このためには、常に最新の情報が入力されていて、その情報をすぐに閲覧できる環境を整えておくことも必要ですが、データ集計にかかる手間の問題でどうしても頻度が低くなってしまっているケースもあるでしょう。

そのような場合は、CRMやSFAに代表される「営業管理ツール」の導入をおすすめします。
データ入力から集計・分析までひとつのアプリケーション上で完結できるほか、営業個人や営業マネージャーが管理したい指標を軸にレポートやダッシュボードが作成できるため、営業予算の目標、達成実績を分かりやすいグラフで自動的に可視化することも可能になり、予算管理が効率的に行えるようになります。

 

【まとめ】

予算を立てずに事業を進めていくと、知らず知らずのうちに経費が増えてしまい、売上をどんなに増やしても結局事業は赤字…という事態になりかねません。経費の垂れ流しを防止するためにも、まずは自分の会社にあった予算を立て、課題を改善するための対策を行うことが大切となります。

予算管理は経営そのものと言っても過言ではないほど、企業にとって重要なものです。なぜならば、会社のあるべき姿・方向性を意識して設定した営業目標の達成に向けて、実行したこととその成果についてきちんと検証し、臨機応変に対策を練ることが、会社の経営改善や継続的な成長につながるためです。

 

【参考書籍】


会計知識ゼロからの はじめての予算管理

 

本日のテーマは以上となります。ご覧頂き、ありがとうございました!

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