どうもanjinです!
今日は経理分野の「有価証券」について書きます。「有価証券」は簿記の勉強をすると、早い段階で出てきますが、『株のことでしょ!?』と捉えられている方もいると思いますので、基本的な部分を解説したいと思います!
【有価証券とは】
有価証券とは「財産権を表示する証券」です。
権利と証券の結合により権利行使を円滑・安全にすると共に、権利の流通性を高めるための仕組みであり、代表的なものとして、株式や債権、手形、小切手、船荷証券、貨物引換証、倉庫証券などが挙げられます。
例えば、記された金額を請求する権利を示すものとして「小切手」、会社の利益の一部を受け取ったり経営に参画したりする権利を示すものとして「株券」などが有価証券に当てはまります。
【有価証券の分類】
『有価証券』には、表章する権利の種類、表章する権利の内容、表章された権利者の表示方法と3種類があり、下記に示す分類となります。
1.『表章する権利の種類』
『有価証券』は、表章する権利の種類により、債権証券・物権証券・社員権証券に分類されます。
2.『表彰する権利の内容』
『有価証券』は、表章する権利の内容により、資本証券・貨幣証券・物財証券に分類されます。
3.『表彰された権利者の表示方法』
『有価証券』は、表章された権利者の表示方法により、記名証券・指図証券・無記名証券・選択無記名証券に分類されます。
【権利の内容の3分類について】
上記の2.『表章する権利の内容』についての分類を詳しく見ていきたいと思います。
《資本証券》 株式や債券など
よく耳にする有価証券は、この資本証券を意味する場合が多いです。資本証券とは、株式や債券のことをいいます。資本証券は、企業などが創業するときや、設備の増設、財務基盤の拡充など多額の費用が必要になったときに発行される有価証券のことです。
国が財政上資金が必要なときに発行している有価証券を国債といいます。また、地方債は、地方公共団体が、財政上に必要な資金を調達するときに発行される有価証券です。
そして、社債は企業が資金調達のために発行する有価証券です。なお、株式は出資証券になります。そのため、株主に対する返済義務はありません。しかし、ほかの国債、地方債、社債は借用証券となり、所有者に対しての返済義務があります。
なお、資本証券は、その所有者の配当や利子などを請求する権利を保証する証券です。
《貨幣証券》 約束手形、小切手など
貨幣証券とは、その証券に記載された金額の支払いを請求できる権利を有する証券のことです。約束手形、小切手などが貨幣証券に該当します。これらの貨幣証券は企業間での高額の支払いをするときに用いられています。
小切手は指定する金額を振出人が指定した人に指定した金額を支払うことができるものです。小切手の所有者は金融機関にその小切手を持ち込むことで、代わりに指定された金額を金融機関から受け取ることができることを約束した証券です。
この金額は、小切手の振出人の当座預金から引き落とされることになります。約束手形は、未来に支払うことを約束したことを証明する有価証券です。
また、為替手形は3者間取引で用いられることが多い有価証券です。貨幣証券の特徴は、その支払いの期日を指定できることにあります。貨幣証券を使用すれば、多額の現金を持ち歩くことなく安全に取引を行うことができます。
《物財証券》倉庫証券、商品券など
物財証券は物品証券とも呼ばれます。これらの証券は、物品の引き渡しの請求権を表しているものです。貨物引換証や倉庫証券、船荷証券、商品券などが該当します。
その証券を所持する人にその物品を所持する権利を有しており、その権利は裏書き、署名することでその物品の権利を移転することができます。
倉庫に行って、裏書き、署名された有価証券と引き換えに、その有価証券に記載された物品を受け取ることができるということです。
例えば、海外に商品を輸出するとき、コンテナ船を利用すると船会社から船荷証券を受け取ります。その船荷証券にはその商品の所有者や誰宛に送るのかや商品の詳細が記されています。そして、購入者が商品代金を支払った時点でその船荷証券に裏書して購入者に送付することで、現地で購入者はその船荷証券と引き換えに商品を受け取ることができます。
このように、商品代金を確実に回収するためにも有価証券は役立っています。
【会計上の有価証券の分類】
会計上の有価証券は保有目的によって「売買目的有価証券」、「満期保有目的債券」、「子会社株式及び関連会社株式」、「その他有価証券」の4つに分類できます。
【まとめ】
有価証券とは、「財産権を表示する証券」のことです。有価証券は、「資本証券」「貨幣証券」「物財証券」に分けられ、会計上は資本証券を指します。資本証券とは、具体的には株券・債券などのことです。
会計上の有価証券は保有目的により「売買目的有価証券」、「満期保有目的債券」、「子会社株式・関連会社株式」、「その他有価証券」の4つに分類されます。また会計表示上は別の仕分けが適用されるため、記帳する時の勘定科目には注意が必要です。
【参考書籍】
有価証券の税務と法務―重要実務事例140問による 組織再編税制・グループ法人税制収録〈平成27年版〉
以上が今日のテーマになります。ご覧頂き、ありがとうごさいました!
コメント